ガス・膨満感
食物繊維を増やしたら、お腹が張ることもある
腸活を意識して食物繊維を増やした結果、おならが増えたり、お腹が張ったりして戸惑う方は少なくありません。「もしかして失敗?」と不安になるかもしれませんが、決して焦らなくて大丈夫です。
監修:管理栄養士 端場 愛(監修 2026年7月)監修者について
『失敗かも?』と不安になったら
お腹が張りやすい人は、食物繊維を一気に増やさず、食品を1つずつ、少量から試してみましょう。目標量だけを追うより、どの日に何をどれくらい足したか、お腹の反応はどうだったかを見える化します。
食卓メモ
無理のない食材の取り入れ方
- 食物繊維が豊富な豆や海藻をいきなり増やしすぎない。
- 味噌汁にわかめを少し足すくらいからスタート。
- もち麦は少量混ぜる程度から試してみる。
- きのこやおからは、不溶性食物繊維が多いため、張りやすい人ほど控えめに試す。
「腸によい食材」で、なぜお腹が張ってしまうのか?
食物繊維を急に増やしたときに、お腹の張りやガスが気になる人もいます。
豆類、麦、きのこ、根菜、海藻などは食物繊維源になりますが、人によって合う量が違います。お腹の中にいる菌の種類や、腸の敏感さは一人ひとり異なるからです。
また、食物繊維だけでなく、食材に含まれる特定の糖分が腸の中で急激に発酵して、ガスを発生させているケースもあります(こうした糖分はFODMAPと呼ばれます)。
内藤裕二先生は著書『腸内細菌の科学』で、お腹がゴロゴロするのは食物繊維の『発酵スピード』の問題であって、発酵そのものが腸に悪いわけではないと説明しています。
オリゴ糖(FODMAP)のようにあっという間に発酵する食品は、急激にガスが出るためお腹が張りやすくなります。一方で、同じ食物繊維でもゆっくり発酵するものなら、ガスが溜まりにくく負担になりません。そのため、発酵スピードが違う食品を少しずつ分けて食べると、急なお腹の張りを防ぎやすくなります。
ひと目でくらべる
発酵の速さでくらべる(お腹の張りやすさの目安)
同じ「腸のエサになる成分」でも、腸内で速く発酵するものほど、一度にガスが出て張りやすくなります。速い側は少量から、ゆっくり側と分けて食べると、急な張りを防ぎやすくなります。速さは目安で、合う量には個人差があります。
| 発酵の速さ | 食品・成分の例 | 張りやすい人の食べ方 |
|---|---|---|
| 速い(張りやすい) | 玉ねぎ・にんにく・ごぼう・豆類などのオリゴ糖/イヌリン系(高FODMAP) | まず少量から。1日1品ずつ様子をみる |
| ゆっくり(張りにくめ) | 大麦のβ-グルカン(もち麦)、オオバコ(サイリウム)などの粘りけのある水溶性 | 速い側と同じ日に固めず、分けてとる |
| ほとんど発酵しない | 寒天・こんにゃくなどの、ほぼ発酵されない食物繊維 | ガスは出にくいが、水分と一緒にとる |
注意書き
発酵の速さは食品や体質で変わる目安で、診断ではありません。強い腹痛・血便・体重減少などがあるときは、食事だけで判断せず医療機関に相談してください。
出典: 発酵スピードの考え方は 内藤裕二『腸内細菌の科学』、FODMAP の分類は Monash 大学の情報を参考にしています
FODMAP 早見表(お腹が張りやすい人向け)
FODMAP(発酵しやすい糖質)が多い食品と、置き換えやすい食品の例です。合う・合わないは量や体調、個人差が大きいので、あくまで出発点として使ってください。
| グループ | 発酵しやすい(多い)例 | 置き換えやすい(少ない)例 |
|---|---|---|
| 主食 | 小麦(パン・パスタ) | 米(ごはん)、十割そば、オートミール(少量) |
| 野菜 | 玉ねぎ、にんにく | にんじん、ほうれん草、なす、じゃがいも |
| 豆・大豆 | 煮豆・大豆、あん | 木綿豆腐(少量) |
| 果物 | りんご、すいか、なし | バナナ(熟れすぎない)、キウイ、みかん(少量) |
| 乳製品 | 牛乳、ヨーグルト(乳糖) | 乳糖を減らした牛乳、少量のチーズ |
| 甘味 | はちみつ、果糖、甘味料(ソルビトールなど) | 少量の砂糖・メープルシロップ |
注意書き
量が増えれば、少ない側の食品でも症状が出ることがあります。これは診断ではありません。低FODMAP食を本格的に試す場合は、自己流で長く続けず、医療者や管理栄養士に相談してください。
出典: 分類の考え方は Monash 大学 FODMAP の情報を参考にしています
「お腹が張る=腸活の失敗」ではない!
食物繊維をとり始めてお腹が張ると、「やり方が間違っていたのかな」と不安になるかもしれません。ですが、決して失敗だと決めつける必要はありません。ただ、お腹が苦しいのに、その食材を無理に食べ続ける必要もありません。張りが気になる日は食物繊維をさらに増やすのはやめて、一度立ち止まり、食べる量を元に戻してみましょう。
注意点
どの食品でお腹が張るかは個人差があります。一般的にお腹に良いとされる食品でも、人によっては合わない場合があります。
管理人メモ
自分は食物繊維を増やしたあと、おならやお腹の張りが気になった時期がありました。
そこで、少し量を戻したり、増やし方をゆっくりにした方が現実的だと感じました。数字だけを追うより、体調に合わせる方が続けやすかったです。
無理なく試すための実践ポイント
- 新しい食品は1日1つだけ試す。一気にいくつも増やすと、何がお腹に合わなかったのか分からなくなってしまいます。
- 「ごく少量」や「1日1回」から始める。納豆:まずは「1日1パック」までにする。きのこ・海藻:お味噌汁の具として、少しだけ足してみる。もち麦や雑穀:最初は白米に混ぜる割合を少なくするか、1日1食だけにする。
- 食べたものとお腹の調子を簡単にメモしておく。「何をどれくらい食べたら張ったか」を記録しておくと、自分に合う量が自然と見えてきます。
- 調子が悪い日は、新しい食品を増やさない。お腹の働きが落ちているときに新たな負担をかけると、症状が長引く原因になるため、まずは休ませることを優先しましょう。
- 水分、睡眠、食事時間も一緒に見直す。腸の動きは自律神経や水分量にも大きく影響されるため、食材だけでなく生活リズム全体を整えることが改善の近道です。
この記事に合う候補
無理なく続けるために
- 強い腹痛、下痢、便秘、体重減少、血便などがある場合は、食事だけで判断せず医療機関に相談してください。
- 自己判断で極端な除去食を続けないでください。
今日の一手
張りが気になる日は食物繊維をさらに増やすのはやめて、一度立ち止まり、食べる量を元に戻してみましょう。
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