Fermentable Fiber

発酵性食物繊維とは|菌のエサになる食物繊維の種類

「発酵性食物繊維」という言葉を見かけるようになりました。水溶性・不溶性とは別の見方で、腸内細菌のエサになりやすいかどうか、という軸です。種類ごとの違いを、毎日の食卓へ戻して考えます。

個別監修:未実施

まず言うと

発酵性食物繊維は、大腸で腸内細菌に発酵されやすい食物繊維の総称です。水溶性/不溶性という溶けやすさの分類とは別の軸で、両者は交差します(例:レジスタントスターチは不溶性寄りでも発酵性)。代表はイヌリン/フルクタン、穀物βグルカン、きのこβグルカン、海藻多糖、ペクチン、レジスタントスターチ、難消化性デキストリンなど。種類ごとに得意な菌やできる短鎖脂肪酸が異なると考えられるため、量だけでなく種類を分散させる考え方が役立つ可能性があります。

今のところ分かっていること

発酵性食物繊維は、大腸で腸内細菌に発酵されやすい食物繊維の総称です。

溶解性(水溶性/不溶性)とは別の軸で、両者は交差します。レジスタントスターチは不溶性寄りでも発酵します。

代表的な種類に、イヌリン/フルクタン、穀物βグルカン(もち麦・オーツ)、きのこβグルカン、海藻多糖、ペクチン、レジスタントスターチ、難消化性デキストリンがあります。

種類ごとに関わりやすい菌や、できる短鎖脂肪酸が異なると考えられています。

内藤裕二先生(京都府立医科大学教授)も、腸内細菌に利用されやすい食物繊維を発酵性食物繊維と呼び、海藻類や大麦などに多く、多様な食物繊維をとることで多様な腸内細菌が育つ、と説明しています。

内藤先生によれば、発酵性食物繊維は小麦ブランに最も多く、麦ごはん・玄米ごはん・全粒粉パン・大豆類にも多いため、白い主食を『茶色いもの』に代えると増やしやすいとされています。

内藤先生は著書でも、発酵性食物繊維は「茶色系」の食品に多く、穀類のβグルカンやアラビノキシラン、根菜のイヌリン、豆のオリゴ糖、果物(とくにキウイ)のペクチンなどが該当すると整理しています。一方で、食物繊維が多い代表とされるこんにゃくのグルコマンナンはほとんど発酵せずに体外へ出てしまう点にも触れています。

内藤先生は著書『腸内細菌の科学』で、「食物繊維はゼロカロリー」は正確ではないと指摘しています。腸内細菌に発酵される食物繊維は、その分だけエネルギー(発酵率により1〜2kcal/g程度)になります。発酵されない寒天などはほぼ0kcalですが、発酵性食物繊維は短鎖脂肪酸に変わる過程でエネルギーも生まれます。

目安

  • 水溶性/不溶性とは別の軸(交差します)
  • 菌のエサになりやすい食物繊維の総称です
  • 種類を分散させる考え方が役立つ可能性

ひと目でくらべる

発酵性食物繊維の種類くらべ

発酵性食物繊維(菌のエサになりやすい食物繊維)を種類ごとに並べた表です。同じ「食物繊維」でも、多い食品やお腹での発酵のしやすさが違います。

発酵性食物繊維の種類くらべ
種類多い食品ガス・張りの出やすさ
イヌリン/フルクタン菊芋・チコリ、ごぼう・玉ねぎ・にんにく、らっきょう・アスパラ・ねぎ等出やすい
穀物βグルカンもち麦・大麦・オーツふつう
きのこβグルカンシイタケ・エリンギ・ヒラタケ・マイタケ・ヤマブシタケ・エノキ・ブナシメジふつう
海藻多糖褐藻(昆布/ワカメ/めかぶ/モズク)・海苔(紅藻)ふつう
レジスタントスターチ冷やご飯・冷やしいも・豆・オートミールふつう
ペクチンりんご・柑橘(白いワタ・薄皮)・にんじん・大根・かぶ・オクラ・モロヘイヤおだやか
難消化性デキストリントクホ飲料・サプリ(粉末、食材でない)おだやか
注意書き

これは種類ごとの傾向の目安です。同じ種類でも量・調理・体調で変わります。「出やすい」ものは、お腹が張りやすい人ほど少量から試してください。

よくある勘違い

「発酵性=たくさんとるほど良い」ではありません。イヌリン等は発酵が速く、急に増やすとガス・張りが出やすい面もあります。少量から試します。

まだ言い切れないこと

どの種類がどれだけ効くかは、腸内細菌の構成など個人差が大きいと考えられます。

「多いほど良い」とは言えず、体質によっては合わないこともあります。

食卓でやるなら

  • もち麦(穀物βグルカン)、きのこ、海藻、ごぼう(イヌリン)、りんご(ペクチン)など、種類の違う食品を少しずつ組み合わせる。
  • 発酵が速いイヌリン系(玉ねぎ・ごぼう等)は、張りやすい人は少量から。
  • まず総量を無理なく増やしつつ、種類の幅を広げる。

計算機で試す

記事で紹介した食品を実際の食事量に合わせて入力し、今日の食物繊維量と不足分を確認できます。

発酵性食物繊維の候補を見る

気をつけたいこと

  • 発酵性食物繊維は、急に増やすとガス・お腹の張りが出ることがあります。少量から試してください。
  • IBS傾向・お腹が張りやすい人は、発酵しやすい種類(イヌリン等)で症状が出ることがあります。

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